難治性過活動膀胱に対する膀胱ボトックス療法について
2025.01.27
難治性過活動膀胱に対する膀胱ボトックス療法について
・尿に行きたくなって我慢が効かない
・トイレが近い
・夜間2回以上トイレに起きる
上記症状がある方は過活動膀胱の可能性があります。
<過活動膀胱の原因>
過活動膀胱の原因は、まだ完全に解明されていませんが、以下のものが考えられています。
- 神経系の異常: 脳と膀胱をつなぐ神経の伝達がうまくいかなくなる
- 膀胱の筋肉の異常: 膀胱の筋肉が過敏になる
- ホルモンのバランスの乱れ: 女性ホルモンのバランスが変化する
- 加齢: 加齢に伴い、膀胱の機能が低下する
- その他の病気: 糖尿病、神経疾患、前立腺肥大症など
<過活動膀胱の診断>
医師は、問診や身体検査、尿検査、エコー、残尿測定などを行い、過活動膀胱かどうかを診断します。
<過活動膀胱の治療>
過活動膀胱の治療には、以下のような方法があります。
- 生活習慣の改善: 喫煙をやめる、飲酒、カフェインを控える、
水分をこまめに摂るなど - 膀胱訓練: 少しずつ排尿間隔を延ばす訓練
- 骨盤底筋体操: 尿漏れを防ぐための体操
- 薬物療法: 膀胱の収縮を抑える薬などを用います
上記治療にても効果がない方は膀胱ボトックス治療の適応となります。
<ボトックスの仕組み>
ボトックスは、ボツリヌス菌が作り出すタンパク質の一種です。このタンパク質には
、筋肉を動かす神経の働きを一時的に弱める効果があります。
筋肉の動き: 脳から信号が送られ、神経伝達物質のアセチルコリンが放出されます。
ボトックスの効果: ボトックスがアセチルコリンの働きを阻害し、筋肉の収縮が抑制されます。
麻酔を行い、膀胱に20箇所ボトックスを注入していきます。痛みはほとんどなく、5-10分程度で終わる治療となっております。当院は日帰りで行なっております。
<過活動膀胱で悩んでいる方へ>
過活動膀胱は、治療によって症状が改善する可能性が高い病気です。一人で悩まず、泌尿器科を受診し、専門医に相談することをおすすめします。