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    腎臓にできもの?腫瘍の種類と注意すべき症状とは。

    腎臓の腫瘍の種類

    腎臓にできる腫瘍にはさまざまな種類がありますが、大きく以下のように分類されます。

    1. 良性腫瘍(がんではない)

    腎臓の腫瘍の中でも、比較的よく見られる良性腫瘍には次のようなものがあります。

    • 腎血管筋脂肪腫(AML)
       女性に多く、脂肪・血管・筋肉からなる腫瘍です。ほとんどが良性ですが、サイズが大きくなると出血のリスクがあるため、定期的な経過観察や必要に応じて治療が行われます。
    • 腎嚢胞(じんのうほう)
       液体で満たされた袋状の構造で、加齢とともにできることが多いです。ほとんどは無症状で放置可能ですが、複雑な構造をしている場合はがんとの鑑別が必要です。
    • 腎腺腫
       ごく小さな良性腫瘍で、ほとんどが無症状・無害です。ただし、悪性腫瘍との鑑別が難しいこともあります。
    1. 悪性腫瘍(がん)

    腎臓にできる悪性腫瘍、つまり腎がんには以下のようなものがあります。

    • 腎細胞がん(RCC: Renal Cell Carcinoma)
       腎がんの中で最も一般的。初期には自覚症状がほとんどなく、健康診断や画像検査で偶然見つかることが多いです。進行すると血尿や腰痛、体重減少などの症状が出ることも。
    • 腎盂がん
       腎臓の内部で尿が集まる「腎盂」にできるがん。尿路上皮が由来で、膀胱がんと性質が似ています。血尿が出ることが多く、尿細胞診などで診断されます。
    • 小児に多い腎腫瘍(ウィルムス腫瘍など)
       小児に発生する腫瘍の代表的なもの。治療によって予後は良好なケースも多いです。

    <腎臓腫瘍の主な症状>

    腎臓の腫瘍は、初期にはほとんど症状が出ません。進行すると以下のような症状が現れることがあります。

    • 血尿(目に見える場合もあれば、顕微鏡レベルのことも)
    • 腰や背中の痛み
    • 腹部のしこり
    • 発熱や体重減少(がんによる全身症状)

    <検査と診断>

    腎臓腫瘍の発見には以下のような検査が行われます。

    • 腹部超音波検査
    • CT検査、MRI検査
    • 尿検査、血液検査
    • 生検(組織の一部を採取して調べる)※必要な場合

    <治療法>

    治療法は腫瘍の種類・大きさ・転移の有無などにより異なります。

    • 良性腫瘍:経過観察が多いが、大きくなる場合は手術や血管塞栓術を行うことも。
    • 悪性腫瘍
       - 外科的切除(腎部分切除または全摘)
       - 分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬
       - 放射線療法(状況に応じて)

    <まとめ>

    腎臓の腫瘍は、良性でも注意が必要なものがあり、悪性の場合は早期発見が鍵となります。無症状でも、健康診断や画像検査で偶然見つかることが多いため、定期的な検診はとても重要です。

    不安な症状がある方、健康診断で異常を指摘された方は、泌尿器科専門医の診察を受けることをおすすめします。