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    おしっこが溜まった時の痛みは間質性膀胱炎かも。

    間質性膀胱炎(かんしつせいぼうこうえん、Interstitial Cystitis:IC)は、膀胱に慢性的な痛みや不快感を引き起こす疾患で、膀胱炎という名前ですが、一般的な細菌感染による膀胱炎とは異なり、原因がはっきりしない非感染性の慢性疾患です。

    🔍 主な特徴

    • 膀胱の痛み・圧迫感:排尿の前後に悪化することが多い
    • 頻尿・尿意切迫感:1日に10〜50回以上トイレに行く人も
    • 排尿困難:尿の勢いがない方も
    • 夜間頻尿:夜中に何度もトイレに起きる
    • 尿を溜めると不快感が強くなるが特徴です。

    🧪 診断

    間質性膀胱炎は他の疾患との鑑別が必要で、以下のような検査が行われます:

    • 問診と排尿記録
    • 尿検査・尿培養:感染性膀胱炎との鑑別
    • 超音波検査:膀胱外病変、腎臓などのチェック
    • 膀胱鏡検査:ハンナー潰瘍(典型的な潰瘍)の有無を確認
    • 尿細胞診:膀胱癌との鑑別
    • 水圧拡張検査:麻酔下で膀胱に水を入れて反応をみる

    🔬 病態

    はっきりした原因は不明ですが、以下が関係している可能性があります。

    • 膀胱粘膜のバリア機能の低下
    • 自己免疫反応
    • 神経過敏
    • 尿中毒性物質
    • 炎症性サイトカインの関与

    💊 治療法

    治療は症状の緩和を目的とし、個人差があります:

    1. 生活習慣の改善
    • カフェイン・アルコール・酸味の強い食品を避ける
    • トマト、チョコレート、柑橘類を避ける
    • 尿を溜めすぎない。
    1. 薬物療法
    • 抗ヒスタミン薬
    • 抗うつ薬(三環系抗うつ薬など)
    • 鎮痛薬
    • 神経障害性疼痛治療薬
    • ペントサンポリ硫酸ナトリウム(膀胱粘膜を保護)
    1. 膀胱拡張術
    • 麻酔下で膀胱に水を入れて容量を広げることで症状の緩和を図る
    1. 内視鏡的治療
    • ハンナー潰瘍がある場合にはレーザーや電気焼灼
    1. 膀胱内注入療法
    • ハンナー潰瘍がある場合にはDMSO(ジメチルスルホキシド)を膀胱内に注入する

    👩‍⚕️ 経過と予後

    • 慢性疾患で、完治は難しいことが多いが、治療により生活の質が大きく改善することもある
    • ストレスや食生活で症状が悪化する場合もあるため、セルフケアが重要である。